● 桂ざこば [NICHIGO PRESS]より
先日、和食へいった。
そこに「日豪プレス 3月号」がおいてあった。
パラパラとめくったら先の豪州落語会で公演した桂ざこばのインタビュー記事が載っていた。
あれ?、と思って帰ってきて調べてみた。
画像にもありますが「25today」という日豪プレスのウエブサイトがあります。
これには載っていないのです。
なぜだろうか。
どこか別のところに載っているのだろうか、探すのは‥大変だ。
『
http://top.25today.com/topics/news/qld_new/
』
「ええ、メンドクセエ」
なら、いっそ日豪プレスに代ってタイプしてしまえ、ということになりました。
見出から本文へ。
『
ざこば氏らしいGCでのお気に入り
緊張感みなぎる本番30分前----。
さぞかしピリピリしているにちがいないと思い楽屋を訪ねると、ざこば氏は手招きしながら「こっちこっち」と言って迎えてくれた。
キャリアの長さから本番直前でもすっかりリラックスしている様子。
毎年のように訪れるようになって約15年というGCは、もはやホーム・グランドのようだ。
そもそもGCを気に入った理由はなんだったのかと尋ねると、意味深な笑いを浮かべてこう語った。
「それは‥カジノだ! だいたいカジノのないところは行かへんな」
その昔ざこば氏は、親戚のいるニュージーランドで休暇を過ごすのが常だったとういうが、ある時、ニュージーランドからオーストラリアまでわずか4時間で移動できると知り、2,3日の小旅行でGCを訪れたそうだ。
「
そしたら、"カジノ"があったんでやったんや。
で、勝ったんや!
ほな味占めで、次からは直接GCへ来てカジノで先に遊んでから、ニュージーランドへというふうに順番が逆転したわけや
」
8年間ほど訪れていたニュージーランドに対しては「8回も同じとこ行きゃ飽きるやん」というざこば氏。
GCには飽きずに15年間も訪れているところをみると、カジノではかなりオイシイ思いをしてきたに違いない!?
「
ある日、そこそこ(カジノで)勝って、「なんぼか(お金)足せばマンション買えるで」と(不動産屋に言われた)。
そんなら「それ買おうか」と、買うたんよ。
ほんなら何年か前に、「ぼちぼち(景気も)ピークで、マンション高こうなってまっせ。うるなら今だっせー」と言われて売ったんや
」
歯に衣着せぬ正直なコメントがざこば氏の性格を如実に表している。
そんな性格のざこば氏だけに、テレビ上では短気、けんかっ早いというイメージもある。
GC滞在中には、習慣の違いなどはなかったのだろうかと訊くと
「
何もあらへん。
自分のペースで生きてるもん。
僕は大阪でもどこでもケンカするねん。
そやから、海外だからしんどいかと思ったことは、いっぺんもないね
」
落語への思い
ざこば氏はこれまでに、ニュージーランド、シンガポール、ジャカルタ、ニューヨークなど各国で落語会を行ってきた。
特に60歳を過ぎてからは、「年に一度は海外で落語会を開く」という目標を掲げている。
しかし、近年の不況からスポンサーが減りつつあるのが現状だ。
「
けど、それはたいした問題ではないと思うねん。
景気ようなったらまた(スポンサーは)付くやろし。
ニューヨークでは、プロの噺家がうまいことスポンサーを見つけて上手に回ってはるわ。
そら、僕もそうしたいけどツテがないから
」
淡々と語るが、近年では自費による海外公演も行っている。
忙しいタレント活動の合間を縫って行う海外公演は休暇中に行うノーギャラのボランテイア。
先ほどの不動産の話とは打って変わって、落語に対する真摯な思いが口を突く。
「
やっぱり、日本人に”生”で落語を聴いてもらいたい。
こっちの人は皆DVDなんかで、日本のテレビ番組を見てはるやん。
そやけど、やっぱり"生"はちゃうと思うしね。
今まであちこちでやってるけども、「落語ってこんなんでしたん? 初めてですわ」 ゆう人、多いもん。
そやし、どこでやっても「おおきに。また来てな」って言われるわ。
ほんでやっぱりそれが嬉しい。
」
日本人の古典芸能離れが進んでいるという現代において、あえて”生”(落語)にこだわるざこば氏。
そして何より、自身が信じる「落語道」がそこにある。
落語をより多くの人に聴いてほしいという強い思いが自らを海をも越えさせている。
「
(落語は)ぜんぜん古臭いことあらへんねん。
落語の中には笑わすだけのもあるけど、ちょっと感動させるストーリーもあるしね。
ええもんやと思うから、ぜひ聞いてもらいたい!
」
喜怒哀楽の激しいタレントとしてのイメージの奥には、落語という古典芸能を心から愛する素朴でひたむきな噺家の姿がある。
落語に対する真剣な姿勢と愛情が、そのぶっきらぼうな口調からひしひしと伝わってくる。
「動楽亭」に託されたメッセージ
上方演芸は今、揺れている。
橋下徹知事による財政再建のために上方演芸のシンボル、ワッハ上方(上方演芸資料館)閉鎖の話も浮上しているからだ。
さんな中、今年で芸歴46年を迎えるざこば氏は、総勢60人を数えるまでに繁栄した由緒ある「米朝一門」の筆頭株として一門を支える立場である。
それは同時に、上方落語界を支える主要人物の一人であることを指している。
ざこば氏は昨年12月、若手の勉強会を行う目的で大阪西成区の新築自宅マンションの2階に収容人数約100人の寄席「動楽亭」を開設。
若手の育成にも力を入れている。
「
動楽亭の”動楽”ちゅうのは”動くと楽しい”という意味を掛けてあるのよ。
楽しいから動こうよ、同じ動くんなら楽しく動きましょうよ、そういう意味。
動けば失敗もあるけど、上手いこといくこともある。
どっちにしても「何かが残る」んや。
人間、経験やんか。
失敗もせな。
動いたら、「違うもんが目に入ってくる」ねん。
」
還暦を過ぎてもなお、海外へ、若手育成へと”動く”ことをやめないざこば氏が「動楽亭」という名に託したメッセージは、噺家を目指す若手のみならず、すべての人に響くことだろう。
そろそろ幕が上がる時間となった。
「動かなアカンねん」といってざこば氏は楽屋を後にした。
会場には約200人の観客が集まっていた。
「落語会」の幕が開き、毎日放送の山中真アナウンサーが司会進行役を、桂ひろばさんが前座を努め、ついにざこば氏が高座(舞台)に登場した。
マクラ(落語本題の前にする話)でGCでの体験談を織り交ぜ、聴き手との距離を一気に縮めていく。
そのまますっと古典の世界へ誘導すると、みるみるうちに聴衆を「ざこばワールド」へと惹き込んでいった。
ざこば氏が披露した「子はカスガイ」と「天災」という2つの噺は古典落語だが、不変の人情や笑いを確かに届けていた。
』
豪州落語会をネタにいろいろ書いてきたが、最後は新聞社に代って記事をタイプするハメになってしまった。
追いかけてきた題材だから、責務としてしかたあるまい。
でも、もし日豪プレスがどこかで公開していたら、これムダ骨。
そういうこともあらあな、といったことになるだろうか。
私、東京生まれの東京育ちのため、大阪の落語界については知識がうとく、感想をコメントできる立場にはありませんので、ただコピーをしただけの仕事で終了させていただきます。
ざこば師匠の言葉ではないですが、”生”で見るというのは実に実にいいですね。
なにしろ、「今日、落語がある」と知って、すぐに駆けつけた当日組み5人のうちの一人でしたから。
【追記 25today】
やはり記事がありました。
サイトを載せておきます。
『
来豪インタビュー
- 落語家・桂ざこば 落語は動・楽! [2009/3/09]
http://top.25today.com/interview/celebrity_interview/post_1009.php#a010563
』
ところがこれ、何かおかしい。
というのは、少なくとも上記の新聞記事をタイプを打つ前にざっとだがインターネットを検索している。
その時は、まったく影も形もなかったはずである。
探し方が悪いと思ってもみたが、今回この記事、同じような検索で出てきている。
理由はすぐに分かりました。
私がタイプしたのは「3月1日」、ところが25todayは「3月09日」になっている。
つまり、一般論で言えば私の方が早かったということになる。
当初、25todayはこれをインターネットに載せる予定はなかったのでしょう。
が思いがけないところから、全文のタイプ原稿が出てきた。
びっくりして、面目上、急きょ掲載に踏み切った、といったところでしょうか。
もし、そうなら悪いことをしてしまったような気がするのだが。
「素人というのはおそろしい」
注]:すでに掲載されていて、探しにくいサイトだったので、この欄に移したということも考えられますので断定は出来ませんが。
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